PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
サーフィン世界最高峰のWSL(ワールドサーフリーグ)CT(チャンピオンシップツアー)の第4戦「Rip Curl Pro Bells Beach」はオーストラリアのVictoria BELLS BEACH(ビクトリア州 ベルズビーチ)で開催され、現地時間4月11日(火)に行われたファイナルデーではイーサン・ユーイング(AUS)とタイラー・ライト(AUS)が今シーズン1勝目を挙げた。
2x世界チャンピオンであるタイラーと2022年のファイナル5の出場者であるイーサンは、ベルズのベルを鳴らそうとする探究心は止められず、それぞれが世界チャンピオンを倒してのファイナル出場となった。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
CTランキングはこの大会で大きく変動し、数人のサーファーが2024年のCTクオリファイを決めると共にCTシーズン後半のスポットを獲得した。
現在女子CTランキングをリードするモーリー・ピックラム (AUS) はランキングのトップを維持することに成功。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
一方でジャック ロビンソン (AUS) は早期で敗退したため、2位だったジョアウ・チアンカ (BRA) がCTランキングNo.1の座に着いた。
イーサン・ユーイング(AUS)が優勝でCTランキング4位にアップ!
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
イーサン・ユーイング(AUS)にとってこの優勝は特別で、亡き母のヘレン ランバート (AUS) が1983年にこのイベントで優勝した40年後に再びベルを鳴らす事になった。これは2022年のJ-Bay戦以来の優勝で、CTキャリアで2勝目を挙げ、CTランキング4位までアップさせた。
「これはとんでもないことです。とてもクレイジーな1週間でした。このイベントは、私が最も勝ちたかったイベントです。
これはとても特別なことで、ツアーに参加してからずっと考えていました。それは私の大きな目標であり、彼女(ユーイングの亡くなった母親ヘレン・ランバート)に敬意を表して、彼女が誇りに思うようにしたかったです。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
物心ついた時から彼女のトロフィーをベッドの横に置いていて、彼女と一緒に自分の名前が並ぶことを夢見ていました。人生何が起こるかわからないので、皆もお母さんに愛していると伝えてください。」とイーサンはコメント。
昨年のSF(セミファイナル)でフィリペ・トレド (BRA) に敗れたイーサンだが、今大会では再びSFで彼と対戦しエクセレント8.43ptを含むトータル15.93(8.43 + 7.50)の素晴らしいライディングで勝利を収めてファイナルへ進出した。
ファイナルでは2x世界チャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)をSFで破り勝ち上がってきたライアン・カリナン(AUS)と対戦した。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
イーサンは海と同期し、ファイナルでも攻めの姿勢は崩さず、序盤から続け様に波の乗り、鋭い強力なターンの連打でトータル14.50pt(7.67 + 6.83)をメイク。 一方のライアンはスコアを伸ばすのに手こずり最終的にトータル11.00ptでイーサンのベルズ戦初優勝が決定した。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
「今年はスロースタートだったので、この結果はいい感じです。このイベントで本当に地に足がつきました。すべてのイベントを本当に楽しみにしています。これからたくさんの美しい場所に行けるのですべてを楽しみにしています。」とイーサンは続けてコメントした。
2018年のフランス戦以来2回目のファイナル出場となったライアンはこの準優勝でCTランキングを6位までアップさせミッドシーズンカットに成功し2024年CTクオリファイも確定させた。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
ファイナル前のSFでは試合の大部分をリードするジョンジョンに対し、ライアンはフルローテーションエアでエクセレント8.5ptを叩き出し、トータル15.30pt(8.50+6.80)で逆転勝利した。
タイラー・ライト(AUS)がベルズで2連覇
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
タイラー・ライト (AUS) は昨年に引き続き2回連続でベルを鳴らし、16回目のCTキャリアでの勝利をマーク。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
ファイナルまでの道のり険しく、5x世界チャンピオンのカリッサ・ムーア(HAW)をQFで破り、その後SFでは8x世界チャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)を倒し勝ち上がってきた。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
この勝利は、彼女の兄オーウェン・ライト (AUS) の引退試合での勝利となり特別なものとなった。2021年以来、イエロージャージ(CTランキングNo.1)を着ていないタイラーだがこの勝利でランキング2位につけ取り戻そうとしている。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
「最初のベルを鳴らすのに12年かかりました。これは違う感じでしたが、すべて同じでした。ここジャラックでサーフィンできることは絶対的な名誉であり特権です。ここに私のチーム全員とサポートがいるのは素晴らしいことです。今の私にとって世界を意味するのは、このような瞬間です。今週、私が望んでいたようになっていて、本当に誇りに思っています。」
タイラーはカレントリーダーのモーリー・ピックラム(AUS)とファイナルで対戦。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
タイラーの勢いはファイナルでも衰えることなく、Winki Pop(ウィンキーポップ)での鋭くパワフルなマニューバーで8.17ptと7.83ptのトータル16.00ptをスコアして圧倒的なリードを先に奪った。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
その差を埋めたいモーリーもエアーを入れるサーフィンでそのギャップを埋めようとしたがトータル12.00ptと十分ではなく、ベテランのタイラーが若い才能に勝利を収めベルズビーチ2連覇を達成した。
「私はここで本当に家にいるように感じます。安全で、心を開くことができます。それができるのは素晴らしいことです。」とタイラーはコメント。
「私の兄(オーウェン・ライト)が引退するという大きな一週間でした。本当に特別なものでした。彼には素晴らしいキャリアがあり、明らかにトラウマを抱えていたので、彼がここでフィニッシュするのを見るのは本当にクールでした。」
CTランキングをリードするモーリーはキャリアで2回目のCTファイナルに出場し今シーズン絶好調だ。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
モーリーは、昨年17位から今年の2位まで成績を伸ばし、再びイエロージャージを保持し、CT第5戦「Western Australia Margaret River Pro」に出場する。
ツアー後半戦の参加を決定させる「ミッドシーズンカット」更新情報
今大会、世界最高峰のサーファーがツアーでのスポットを維持するために重要なランキングポイントを目指して戦い、お互いに限界までプッシュした。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
今日のイベントのファイナリストであるライアン、イーサン、タイラー、モーリーと並んで、カリッサ・ムーア (HAW)、ヤゴー・ドラ (BRA)、レオナルド・フィオラヴァンティ (ITA)、ガブリエル・メディーナ (BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス (HAW) はすべてミッドシーズン・カットより上位にランクインし、2023CTシーズンの後半への参加が決定している。
ミッドシーズンカットが行われた男子CT選手
※ベルズ戦終了時点で男子CTランキング上位11位までカット
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
ジョアオ・チアンカ (BRA)
ジャック・ロビンソン (AU)
フィリペ・トレド (BRA)
イーサン・ユーイング (AUS)
グリフィン・コラピント(USA)
ライアン・カリナン(AUS)
カイオ・イベリ (BRA)
ジョン・ジョン・フローレンス (HAW)
ヤゴー・ドラ(BRA)
レオナルド・フィオラバンティ (ITA)
ガブリエル・メディーナ (BRA)
ミッドシーズンカットが行われた女子CT選手
※ベルズ戦終了時点で女子CTランキング上位3位までカット
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
モリー・ピックラム (AUS)
タイラー・ライト (AUS)
カリッサ・ムーア (HAW)
五十嵐カノアはベスト16進出で9位
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
ミッドシーズンカットラインの下にいた五十嵐カノアだが、R32で11x世界チャンピオン ケリー・スレーター(USA)を破りベスト16入りした。
PHOTO: © WSL/ Beatriz Ryder
続くR16でカノアはグリフィン・コラピント(USA)に敗れるが、この9位の結果によりCTランキング17位までアップし再びミッドカットライン上に浮上した。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
今大会17位のケリーは現在CTランキング26位で、ミッドカットライン下にいる。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
前大会でベスト8入りした和井田理央(IND)だが、今大会はエリミネーションラウンドで敗れ33位でCTランキングが16位までダウン。
ミッドシーズンカットされていない選手にとって続くCT第5戦「Western Australia Margaret River Pro」はツアー後半戦の切符をかけた重要な試合となる。
PHOTO: © WSL/ Ed Sloane
昨年ミッドシーズンカットされずツアーの後半はCS(チャレンジャーシリーズ)の試合を回っていたジョアウ・チアンカ(BRA)は今大会R16でマシュー・マクギリブレイ(RSA)に敗れ9位だが、No.1だったジャック・ロビンソン(AUS)からその座を奪い続く試合ではイエロージャージで登場する。
ツアーの存続を決めるCT第5戦「Western Australia Margaret River Pro」は4/20(木) 〜4/30(日)までウェイテイング期間に入る。
五十嵐カノア、和井田理央、ケリーなどさらに上位ランキングに食い込むことを祈りたい。続く試合も見逃せない!
【全ハイライト映像】CT第4戦「Rip Curl Pro Bells Beach」
▼CT第4戦「Rip Curl Pro Bells Beach」
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/ct/69/rip-curl-pro-bells-beach/main
▼CT第5戦「Western Australia Margaret River Pro」
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/ct/70/western-australia-margaret-river-pro/main
▼WSL(ワールドサーフリーグ)
https://www.worldsurfleague.com