PHOTO: © WSL/ Damien Poullenot
サーフィン世界最高峰のWSL(ワールドサーフリーグ)CT(チャンピオンシップツアー)の第3戦「Hurley Pro Sunset Beach」はポルトガルの Peniche PRAIA DE SUPERTUBOS(ペニシェ、プライア デ スーパーチューボス)は現地時間3月14日(火)にファイナルデーを迎え、ジョアウ・チアンカ(BRA)とルーキーのケイトリン(以下ケイティー)・シマーズ(USA)がCT初優勝を飾った。
CTランキングに大きな変化を持たらした今大会、来シーズンのCTクオリファイを決めるミッドシーズンカットまで残り2戦となりCT第5戦「Western Australia Margaret River Pro」に続いていく。
また世界最高のサーファーがCTランキングを通じて2024年パリオリンピックのオリンピック出場権を狙っているため、今年はより競争が激化している。
ジョアウ・チアンカ(BRA)が初優勝でCTランキング2位にアップ
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ジョアン キアンカ (BRA) は、ペニシェでのキャリア初のCT勝利は否定することはできず、今シーズン全てSF(セミファイナル)以上進出と絶好調だ。
サクアレマ出身のジョアウは1日を通して勢いを増し、最終的に準決勝と決勝で 20ポイント中17ポイントを超える素晴らしいヒートトータルを連続して記録し、タイトルを獲得した。
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ファイナルでジョアウはカレントリーダーのジャック・ロビンソン(AUS)と対戦。
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ファイナルはエキサイティングなスタートを切り、ジャックとジョアウはほぼすべての波でチューブに入り、フォアハンドで貴重なチューブタイムを記録した。
ジョアウは、ジャックの6.17ptのスコアに対して7.83ptメイクして優位に立った。さらにジョアウは素晴らしいチューブを抜けてフィニッシュターンでエクセレント8.50ptを出してさらにリードを広げ、ジャックをロープ側に追い詰めた。
試合が残り10分となり、ジョアウはさらにレイトドロップからありえないようなチューブを抜けてさらに9.07ptを叩き出しトータル17.57pt(8.50+9.07)をスコア。
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ジャックもジョアウのショーをただ黙って見ているだけでなく、波を探し、最終的に彼自身のディープでテクニカルなバレルを抜けて8.97ptを記録しトータル15.14pt(6.17+8.97)とするが1歩及ばず、シーズン2年目のジョアウが見事初優勝を飾った。
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「パドルアウトしてから5分後に、波がどれだけ素晴らしいか、そして私がこの波のすべてをどれだけ愛しているかを実感しました。完璧なバレル、完璧なビーチ ブレイク。プロセスを楽しむように自分に言い聞かせました。それを実現するためにできる限りのことをしてきました。私はこれらのすべてを水の中で考えていました。今理解できなくても、後で理解できると考えていました。
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「そして、その時が来たのは信じられないほどです。ツアーに出場できて以来、初勝利を夢見てきて、このポルトガルですべてがうまくいったことは信じられないことです。」と感動的にジョアウはコメントした。
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ジャック ロビンソン (AUS) はこのポルトガル戦での準優勝で現在の世界最高のサーファーとしての地位をさらに強固なものにした。今シーズンこれまでに優勝、2位、3位でフィニッシュしており、さまざまな状況に適応し、競争を支配している。
ここ数シーズン、CTで着実に順位を上げてきたオーストラリア人のジャックは、10年前にミック・ファニング (AUS) が最後に優勝して以来、初の世界タイトルを獲得する可能性を強く主張している。
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ジョアウとジャックは、ファイナルに向かう途中の壮大な準決勝のバトルで、それぞれカラム・ロブソン (AUS) とヤゴー・ドーラ (BRA) を倒している。
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今大会3位のヤゴーとカラムはCTランキング7位にアップ。
ポルトガルで最も愛され支持されている2人のワールド チャンピオンのイタロ・フェレイラ (BRA) とガブリエル・メディーナ (BRA) はどちらもR16で動揺するような敗北を喫した。
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イタロはディープバレルは完璧にメイクし9.33ptメイクしたが、最終的に十分に高いバックアップが作れず、ヤゴーに敗退し9位でCTランキング13位。
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ガブリエルは、元イベント優勝者のグリフィン・コラピント(USA)からの最後の波で逆転されて今大会は9位。CTランキングも9位につけている。
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グリフィンは、3X世界チャンピオンを克服するために多くの数字を必要とし、試合の後半のラストウェーブでほぼ完璧な9.50ptをスコアし勝利しベスト8進出した。しかしSFではヤゴーに敗れて今大会5位でCTランキングも5位。
17歳のルーキー ケイティー・シマーズ(USA)がCT初優勝!
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素晴らしいパフォーマンスを見せたカリフォルニアのケイトリン・シマーズ (USA) は、2012年のNike US Open of Surfingでレイキー・ピーターソン (USA)以来、女子のCT優勝した最初のルーキーになった。
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今大会はケイティーにとって世界最高レベルCTでの3度目のイベントで、初戦は9位、第2戦目は5位の後、このポルトガル戦を制し、CTランキング2位まで順位を上げた。
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ファイナルの対戦相手はベテランのコートニー・コンローグ(USA)で序盤からディープバレルを抜けた後、最後のクローズセクションもしっかりメイクしてオープニングからエクセレント9.0ptのスコアして大きくリード。
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その後、バックアップを伸ばせないコートニーに対し、ケイティーは約30分かかり最終的に形良いバレルをメイクして7.17ptをスコア。その後時間をかけず2ターンをメイクしてバックアップ6.33ptをスコアしてトータル13.50pt(7.17 + 6.33)で逆転に成功しコートニーにプレッシャーをかけた。
ツアーのベテランコートニーは、しっかりとした左サイドで良いチャンスを得たが、残念なことに、波が最後まで形成されず、得点のチャンスと優先順位を失い試合終了。
17歳のルーキーケイティーは見事初優勝を飾った。
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「正直信じられません。コートニーは凄いチューブをメイクして、私はこれが始まりだから大丈夫だと思っていました。彼女から少し離れてビーチをパドリングして波を見つけようとしたところ、それが起こって本当に幸せでした。
ほとんど毎日ビーチブレイクでサーフィンをしているので、このような波は好きです。ここにいるみんなに本当に感謝しています。ポルトガルは本当にクールです。サーフィンに感謝しています。他に何を言えばいいのかわかりません、ありがとう!」とケイティーはコメントした。
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最悪のシーズンスタートを切ったコートニー・コンローグ(USA)は、昨年のタヒチ戦以来となる決勝進出を果たし、大きく立ち直った。ハワイでの2つのエリミネーション ラウンドでの敗北の後、CTランキング16位になったコンローグは、ミッドシーズンカットされない危険に晒されていた。しかし彼女は、この準優勝により、CTランキング12位までジャンプアップした事でカムバックストーリーを簡単にした。(女子のミッドシーズンカットはランキング上位10人まで)
コートニーとケイティーは、SFでディフェンディング イベントの勝者であるタティアナ・ウェストン・ウェブ (BRA) とメイシー・キャラハン (AUS) をそれぞれ破り、決勝に進出した。
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タティアナは今大会3位でCTランキング5位。
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メイシーはこの3くらいによりCTランキング9位までアップした。
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女子のCTランキングをリードするモリー・ピックラム (AUS)は、直接のライバルである5x世界チャンピオンのカリッサ・ムーア (HAW) よりも1ラウンド進んで、ここスーパーチューボスで準々決勝(QF)に進んだ。
QFではタティアナに敗退し今大会5位。
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カリッサはR16でヨランダ・ホプキンス (POR)に敗れ今大会9位でCTランキングは2位にダウンした。
五十嵐カノアは今大会17位
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昨シーズン、オーストラリア戦でランキングをリードしていたカノアだが今シーズンはなかなか結果がだせず窮地に追いやられている。
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今大会はR32でサミュエル・プーポ(BRA)に敗れて17位でフィニッシュしCTランキング24位にダウン。男子のミッドシーズンカットはCTランキングTop23までなのでそのラインより1つ下となる。残り2戦での巻き返しに期待したい。
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ルーキーの和井田理央(IND)は今大会ベスト8入りして自身最高位となる5位でフィニッシュ。
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2x世界チャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)や3x世界チャンプのガブリエルを抑えてラウンドアップする強さを見せたがQFでバロン・マミヤ(HAW)に敗退した。この結果でCTランキングは10位までアップした。
The Catch Up Finals Day | MEO Rip Curl Pro Portugal
EVERY EXCELLENT WAVE – MEO Rip Curl Pro Portugal
2024年のCTクオリファイとオリンピック代表選考のかかるミッドシーズンカットまで残り2戦。オーストラリアンレッグのCT第4戦「Rip Curl Pro Bells Beach」は4月4日(火) – 14(金)までビクトリア州ベルズビーチでウェイティング期間に入る。ミッドシーズンカット間際で逆境に立たされているカノアだがこれからどんなドラマを繰り広げるのか楽しみだ。
▼CT第4戦「Rip Curl Pro Bells Beach」
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/ct/69/rip-curl-pro-bells-beach/main
▼CT第3戦「MEO Rip Curl Pro Portugal」
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/ct/68/meo-rip-curl-pro-portugal/main
▼WSL(ワールドサーフリーグ)
https://www.worldsurfleague.com