PHOTO: © WSL/ Tony Heff
サーフィン世界最高峰のWSL(ワールドサーフリーグ) CT(チャンピオンシップツアー)の第2戦「Hurley Pro Sunset Beach」はOahu SUNSET BEACH(オアフ島 サンセットビーチ)で開催され、現地時間2/19(日)に試合の最終日を迎え、フィリッペ・トレド(BRA)とモーリー・ピックラム(AUS)が優勝した。
最終日、サンセットビーチは6-8フィートの凄まじい波がブレイクする中、男女共にQF(クォーターファイナル)から全てのヒートが消化された。
フィリッペ・トレド(BRA)はCT13勝達成!
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男子のファイナルは2022年のCT第7戦「Surf City El Salvador Pro」のファイナル以来であるフィリッペ・トレド(BRA)とグリフィン・コラピント(USA)が再び対戦。
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両者共オープニングから素晴らしいサーフィンを披露。フィリッペは複数のパワフルなマニューバーで7.83ptマーク。
一方のグリフィンはビックマニューバーとクレイジーなエンドセクションでのフィニッシュをきめてオープニングから9.17ptをマーク。
その後6点台をスコアするグリフィンに対し、フィリッペはすぐさま反撃し、8.27ptとリードポイントを広げリードを奪った。
試合終了3分を切り、逆転に6.93ptが必要なグリフィンはビックマニューバーでトータル16.10pt(9.17+6.93)をメイクする事に成功。
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しかしその直後、フィリッペは最後の波でダイナミックなサーフィンを披露して9.47ptを叩き出しトータル17.74pt(9.47+8.27)としリードを譲らない。グリフィンは最後の波で逆転を試みるがスコア届かず、フィリッペがCTキャリア13回目の優勝を飾った。
「この優勝は大きな意味があります。私はこのトレーニングとサーフィンをスーパーハードにしてきました。去年は楽しかったし、自分が欲しかった世界タイトルを手に入れて、多くのことを学びました。このような状況になると、私は本当に準備ができていて、何に対しても準備ができているように感じます。」
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「グリフィン・コラピントがスウィングして出てきたとき、私はただ「準備はできた、さあ行くぞ」と思っていました。 良い波が来ることは知っていましたし、スローなヒートもありましたが彼が9.17ptに少し緊張しているようでした。グリフィンが本当にそうだったかはさておき、落ち着いて波を待ちやるべきことをしました。」
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サンクレメンテのグリフィンは、CTキャリア3度目の優勝を逃したが、この勢いを利用して、前回優勝したイベントである次のポルトガルの目的地に向かう。
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24歳のグリフィンは昨年6位でFinal5には出場できなかったが、昨年4位のイーサン・ユーイング(AUS)をQFで、今年ランキングをリードし昨年3位のジャック・ロビンソン(AUS)をSFで破りファイナルへ駒を進めた。
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開幕戦を制したジャックは今大会3位だがCTランキングはリードしたまま。しかし、2位とのフィリッペがわずか1340pt差で追いかけている。
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今年頭角を表しているジョアウ・チアンカ(BRA)はSFでフィリッペに敗れたものの初戦に引き続き今大会も3位でランキング3位につけている。
女子はモーリー・ピックラム(AUS)がCT初優勝でランキング首位!
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20歳のオーストラリア出身のモーリーはブリッサ・ヘネシー(CRC)と2x世界チャンピオンのタイラー・ライト(AUS)を破りファイナルへ進出した。
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ファイナルでの対戦相手は21歳のキャロライン・マークス(USA)でルーキーのケイトリン・シマーズ(USA) と2年目のガブリエラ・ブライアン(HAW)を倒し勝ち上がってきた。
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この若手2人によるファイナルバトルは、モーリーが最初の波でワイプアウトした後、すぐに落ち着きを取り戻し、ヒートの途中までに2本のミッドレンジスコアをメイク。
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しかしキャロラインはバックハンドでのクリティカルなサーフィンを披露して7.5ptをマークしモーリーにプレッシャーをかけた。 さらに優先権を持ったキャロラインがバックアップで2.4ptスコアしてモーリーが5.58pt逆転に必要な状況を作りリードを奪った。
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慌ただしいアクションの中で、モーリーは5.50ptと5.40ptをスコアして、試合残り10分の時点でキャロラインからリードを奪った。逆転には3.4pt必要だったが良い波が見つけられずモーリーがCT初優勝を飾り、CTランキング1位のポジションへジャンプアップした。
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「イエローはただのジャージーカラーですが、私がなりたい場所であり、できると信じているので、トップにいることに興奮しています。優勝できてストークしていますし、このイベントはかなり挑戦的でしたが自信を失うことはなく、自分自身を本当に信じていたと思います。」
「女性のサーフィンレベルは非常に高いです。CS(チャレンジャー シリーズ)に1年参加してから CTイベントで優勝することができたので、多くの挫折があるにもかかわらず、少しずつ進んでいる自分を誇りに思っています。このような瞬間は、それだけの価値があります。」と優勝後にモーリーはコメントした。
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モーリーに1歩及ばなかったキャロラインだが、この準優勝でCTランキング4位までジャンプアップさせた。このファイナル進出でキャロラインはワールドタイトルレースとオリンピック出場権獲得への意欲を取り戻すことができた。
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開幕戦で優勝したカリッサ・ムーア(HAW)はQFでガブリエラ・ブライアン(HAW)に敗れ今大会5位でフィニッシュしたがCTランキングはリードしたままモーリーと同ポイントの14,745pt。
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開幕戦は17位で終わった8x世界チャンピオンステファニー・ギルモア(AUS)は、今大会ベスト8まで進出。QFではタイラー・ライト(AUS)に敗れるもミッドシーズンカット手前の11位までランキングをアップさせた。続くポルトガル戦で巻き返しを図る。
五十嵐カノアは9位!R16で惜しくも敗退
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R32ではトータル15.00(8.17 + 6.83)でリードするジャクソン・ベイカー(AUS)に対し素晴らしい逆転劇で勝利した五十嵐カノアだが、R16でマシュー・マクギリブレイ (RSA) に1歩及ばず敗れ今大会9位でフィニッシュ。CTランキングは16位で続くCT第3戦「MEO Rip Curl Pro Portugal」でランクアップを目指す。
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マシューはQFでジョアウに敗れ5位。
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和井田理央(IND)はR32でガブリエル・メディーナ(BRA)に敗れ17位でフィニッシュ。
CTシーズンはまだ序盤だが、今大会の結果はCTランキングにとって重要でCT第5戦「Margaret River Pro」に続いて、ミッドシーズンカットが迫っている。さらに2024年パリオリンピックの暫定オリンピック資格にも関係する。
モーリーとカリッサ・ムーア(HAW) は現在、世界ランキングで首位を争っており、
ジャック・ロビンソン (AUS)は2戦目を終えた時点で首位をキープ。フィリッペ・トレド (BRA) とタイラー・ライト (AUS) は、それぞれ2位と3位で首位と僅差になっている。
【ハイライト映像】 All The Highlights From The Hurley Pro Sunset Beach 2023
今年から新たに導入されたVissla CTシェイパーランキング。
シェイパー達のポイントは各イベントの男女の結果の合計点で争われる。
ランキングにカウントされるのはQFまで勝ち上がった選手のサーフボードのブランドで、勝者は最終戦「Rip Curl WSL Finals」で決定する。
イベントごとに複数のボードを使用する選手の場合、最後のヒート勝利で乗ったシェイパーのボードにポイントが与えられる。
CT第2戦を終えてMAYHEM(メイヘム)がランキングをリード、続いてSHARP EYE(シャープアイ)、DHD(ディーエイチディー)の順。
続くCT第3戦「MEO Rip Curl Pro Portugal」は3/8(水)〜3/16(木)までウェイティング期間に入る。今シーズンスローなスタートとなっているカノアだがこのポルトガル戦での巻き返しに期待したい。
▼CT第2戦「Hurley Pro Sunset Beach」
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/ct/67/hurley-pro-sunset-beach/main
▼WSL(ワールドサーフリーグ)
https://www.worldsurfleague.com