2022年3月30日(水)、静波サーフスタジアムPerfectSwellでは史上初となるウェイブプールイベント「第3回ジャパンオープンオブサーフィン」が開催された。
強化合宿と志田下で行われたQS1000 アジアオープン2022から選抜された男女18名がこのジャパンオープンの出場権を獲得。ウェイブプールでR1は中級の波、R2からエキスパートとエアセクションのあるハイボールと波のバリエーション変えて行われベスト2スコアで勝敗が決められた。
男子は村上舜が2度目の優勝!
ファイナルは過去にジャパンオープンの勝者となっている村上舜と大原洋人が2度目の優勝をかけて戦った。
前半からバリエーションのあるターンでエクセレントスコア8点台を2本立て続けに出す大原は、さらに畳みかけるように9点代を出しトータル17.90pt(9.07pt+8.83pt)でリード。
一方の村上も7点台と8点台を揃えるも、大原にリードされて形で試合は後半のエアボールへと進んだ。
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ここでは両者とも最後のエアーがメイクできずなかなかスコアをのばせない中、村上は6本目のレフで難易度の高いエアーを見事成功させて9.43ptを叩き出してトータル18.16pt(9.43pt +8.73pt)で逆転。
再逆転に9点代が必要な大原は最後の波でエアーをメイクするも8点台と1歩及ばず、村上の2度目の優勝が決定した。
ジャパンオープン男子ファイナルの模様はこちら
しかし村上はラストウェーブのエアーで着地を失敗して抱えられないと歩けない状態で治療が必要だと判断され表彰式へは参加できなかった。これから5月にはCS(チャレンジャーシリーズ)がスタートするので無事の回復を願いたい。
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残念ながら村上は、最後のライディングで着地を失敗してしまい踵を骨折。CSイベント1戦目、2戦目の参戦が難しくなったが3戦目の7月開催予定のBallito Proから出場予定。(4/1アップデート)
セミファイナルまで勝ち上がった新井洋人はジャパンオープン3位。
⻄慶司郎も同じく3位でフィニッシュ。
「第3回ジャパンオープンオブサーフィン」男子順位
1位 村上舜
2位 大原洋人
3位 新井洋人
3位 ⻄慶司郎
女子は都筑有夢路が初優勝!
女子の決勝はこの大会で優勝経験のある松田詩野と東京オリンピック銅メダリスト都筑有夢路の試合。
オープニングからクリティカルなバックハンドを4発決めて8.33ptを決める松田。
しかし都筑もパンチあるリッピング4発で応戦して9.33ptと松田にリードを許さない。バックアップをミッドレンジのスコアを5点台とする松田に対し、都筑はレフトの波で8.43ptを出してトータル17.76ptで大きくリード。
両者とも最後のハイボールではエアーをメイクするが得点はそのまま変わらず都筑がジャパンオープン初優勝を飾った。
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「楽しいの一言です。そういう気持ちで入れたことが本当に嬉しいです。緊張しないようにだけ気をつけました。楽しもうということだけ頭の中に描いていました。」と優勝後のインタビューでコメント
CTでアメリカのサーフランチの出場経験がある都筑は「アメリカのサーフランチの方は距離が圧倒的に長くて全く別なプールの印象でした。ケリーのウェイブプールは距離が長すぎて体力的に疲れるので私は静波の方が好きです。」
この後都筑はオーストラリアに行きCTのトライアルに参加する。これから技術的にのばしていきたい部分はエアーだという。「世界で戦うのに女子も今後必要になってくる技なので、エアーはものにしたいです。」とコメント。
アジアオープンの勝者脇⽥紗良は3位。
同じく川合美乃⾥も後少しのところでファイナルまでの進出ならず3位。
「第3回ジャパンオープンオブサーフィン」女子順位
1位 都筑有夢路
2位 松田詩野
3位 脇⽥紗良
3位 川合美乃⾥
このジャパンオープンの優勝者はサーフィン日本代表「波乗りジャパン(NAMINORI JAPAN)」として「ISA WORLD SURFING GAMES(ワールドサーフィンゲームス)」に出場する。あと2人の出場者に関しては会場が決まり次第発表となる。1つはWSLの2021年のワールドランキング、2つ目は強化部推薦として過去ISAの国際大会の実績から選抜される。
実行委員長の井本公文はウェイブプールでの試合について
「大変だった点は、時間が細かく区切られていてその部分で気を抜けなかったです。選手が波に乗りすぎて疲れていないかや、どうやったら公平にできるかをテクニカルディレクターとコンテストディレクターとずっと検証しながら作り上げてきたので時間がかかりました。誰もやったことがなかったのでその部分が大変でした。」と記念すべきウェイブプールの初大会運営への苦労を話した。
「改善すべき点はあるのかなと感じております。同じ舞台で選手は精一杯戦わないとスコアが出ないと言われていたので、チャレンジする環境作りはできたのかなと感じています。最初1Rはソフトの波でした。多くの人数に多くの本数を乗らせるためにはソフトな波になってしまったけど選手の方からは点数を出すためにはハードな波でやりたいという意見があったのでそういうのも含め次回に繋げたいと思います。」とコメントした。
この後、ワールドサーフィンゲームスに出場する新たな日本代表のメンバーが決まり世界戦への調整が行われていくのでそちらも応援していきたい。
静波ウェイブプールで初コンテストが開催されまた新たな1ページが捲られた。今後どのような展開をみせるかも楽しみだ。
▼THE 3nd JAPAN OPEN OF SURFING
(第3回ジャパンオープンオブサーフィン)
https://japanopenofsurfing.jp