これだけ生産技術が進歩している時代にあって、サーフィンにおける2大神器であるサーフボードとウエットスーツは、いまもクラフツマンたちの手仕事が重宝されている。
サーフボードは目指すスタイルや乗りたい波、レベルや体格、大好きな色や模様をビルダーがカタチにし、ウエットスーツは厳冬の海に挑む勇気となり、限界をプッシュできるよう、職人たちかがひとりひとりの体型に合わせて丁寧に仕立て上げる。オーダーメイドであるならば、それらはまさに世界にひとつで、自分だけのもの。愛着が湧かないわけがない。
そんな文化にシンパシーを感じるからか、サーファーにはさまざまな分野で活躍する優れたクラフツマンがたくさんいるように思う。
マシンを否定する気はなく、寸分たがわぬ製品を生み出せるのは大きなメリットであり、それもまた努力の賜物だ( 過剰生産は歓迎できないとして) 。
だから、そんな世の流れにあらがいたいわけじゃないのだけど、なにもかもが効率主義しじゃなくたって、いいとは思う。どちらもあってこそ楽しい、とも。
人は誰もがなにかを手づくりした経験があるはずで、出来栄えはどうあれ、真剣に手を動かしている最中は、そこに少なからず気持ちを注ぐ。
そういうのを、“想い入れ”というのだろう。そのうえで、ものづくりに多くの時間を捧 げ、情熱とともに腕を磨き続けた職人たちの傑出した技術は、ときに比類なき完成度を得る。
万人にとっての世界 一ではなく、手にしたあなたにとっての世界一であればいい。そんなオンリーワンは、人の手から生まれるのだ。 それって、すごいことじゃない?
2022年03月10日 On Sale
¥1,180(TAX IN)