なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【地震と津波。その2】

2021/10/20 更新

先週末は低気圧や前線が通過して、日曜は等圧線が縦に並ぶ西高東低の冬型の気圧配置となり、全国的に北寄りの風が強まりました。
日本海側はいよいよシーズンインですね!
この後の予想天気図を見てみると、日本付近は低気圧と高気圧が交互に通過していき、秋が深まってきたなあと実感します。

まだ本格的な冬までしばらくあるため、冬型の気圧配置は持続しませんが、気象庁の10/11のエルニーニョ監視速報では少し気になる発表がありました。
「今後、秋から冬にかけて平常の状態が続く可能性もある(40%)が、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)。」と発表されました。
2020年の秋に発生したラニーニャ現象は、つい4か月前の6月のエルニーニョ監視速で「終息したとみられる」と発表されました。
1949年以降のエルニーニョ現象、ラニーニャ現象の発生は交互となることが多く、過去に2度、ラニーニャ現象が連続で発生していますが、1年空けての発生であり、この秋に発生するとなると、半年経たずに再び、ということになります。
ラニーニャ現象の年は寒い冬となります。冬型の気圧配置が強まりますから、日本海はなみある日々が多くなりますが、今年も豪雪となる可能性が高まります。
11月のエルニーニョ監視速報模も要チェックです。

さて、久々に前置きが長くなってしまいました。
前回は【地震】についてのお話をしましたが、今回は地震がもたらす【津波】についてのお話をしたいと思います。

【津波】とは、潮汐や低気圧や風によるウネリや風波、高潮などによらず、突然発生する、周期が数分から1時間程度の波のことです。
海に囲まれている日本列島の沿岸には、昔から幾度となく津波がやってきました。

津波には、火山噴火、斜面崩壊、海底地すべり、(非常にまれながら)隕石落下など様々なタイプがありますが、多くの場合「地震」に起因します。
地震が海底で起きた場合、海底が隆起したり沈降したりすることで、海水が上下変動を起こして津波が発生します。
震源が深い場合や地震の規模が小さい場合は、海底面の上下変動がないため発生しません。

しかし、地震の揺れが小さいのに大きな津波が襲来した例もあります。海底の断層がゆっくりと大きく動いた場合、地震から30分あまりたってから、遡上高38mに及ぶ大津波が襲った例が記録として残っています。
2004年にインド洋沿岸諸国で23万人以上の犠牲者を出したスマトラ沖巨大地震(M9.2)では、スリランカやインドでは、全く揺れを感じずに、津波だけが襲来しました。

このように、遥か彼方で発生した地震による津波が、太平洋の海底に連なる山々や大陸棚などにより、思いがけない時間や場所へ到達することもあります。

また、津波の速さは水深と関係があり、深いほど速く、平均水深4000mの太平洋では、ジェット機並みの時速720kmで駆け抜けます。
水深が浅くなるにつれスピードは落ちますが、その分後から来る海水が追いつき、沿岸に到達する時には波高が上がることになります。

台風などによりもたらされるウネリは、海上で吹く風により発生するため、どんなにビッグウェーブであっても影響する海水は海面に近い部分だけです。
それに比べ、地震や火山噴火によっておこる津波は、海底からのすべての海水が動いて発生するため、とてつもない水量が沿岸へやってくるのです。

・津波の伝播速度は非常に速いこと。
・物凄い水量の波が繰り返し何波も襲来し、その間隔が数十分から1時間を超えることもあり、数時間後に来る可能性もあるということ。
さらに、
・湾の奥や岬の先端では波高が大きくなること。

ということを、ぜひ覚えておいてください。

万が一、海の中や近くで津波注意報や津波警報が発表された場合、パドルでアウトへ逃げれば安全!という保証はありません。
すぐに海から上がり、どこへ移動すればよいのか、安全な場所はどこで、どのくらいの時間が必要なのかなど、あらかじめチェックしてから海に入ることを習慣にしておくことが大切です。

気象予報士
塩田久実

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