Photo:ISA/Ben Reed
現地時間6月6日(日)、中央アメリカのエルサルバドルの La Bocana(ラ・ボカナ)では、国際サーフィン連盟(ISA)によるオリンピックのサーフィン最終予選である世界戦2021 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games(2021サーフシティ・エルサルバドル・ISAワールドワールドサーフィンゲームス)のファイナルデーが行われた。
Photo:ISA/Ben Reed
大原洋人がオリンピック日本代表選手に決定!
Photo:ISA/Pablo Franco
大原洋人と村上舜のオリンピック代表争いは最後の最後まで決まらない状況で、リパチャージのファイナルRまでもつれ混んだ。
ジョアン・ドリューがトータル12.74ptで試合をリードする中、
Photo:ISA/Ben Reed
スローなスタートとなった大原だが、試合の後半にかけてパンチのあるターンを2発メイクしてエクセレント8ptをマークしトータル13.83ptでトップに躍り出ると、その後、たたみかけるようにダイナミックなターンのコンボを決めて9ptをマーク。
Photo:ISA/Ben Reed
「地元で開催されるオリンピックに出場したい」という気持ちが入ったライディングはトータル17.0ptという圧巻の演技を生み1位のポジションでファイナル進出を決めた。
Photo:ISA/Pablo Jimenez
メインの最終Rまで勝ち上がった村上は、五十嵐カノアとジェレミー・フローレンスに敗れ、リパチャージ最終Rに進出した。
Photo:ISA/Pablo Jimenez
ビックカービングと最後のセクションでレイバックをメイクさせ5.83ptをスコアするも、その後なかなかスコアをのばせず4位のポジションで敗退。今大会は6位という成績でフィニッシュした。
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この結果、2019年ISAワールドサーフィンゲームズの世界ランキング4位の村上舜が有力候補となっていたが、2021年のISAワールドサーフィンゲームスの順位が2019年よりも選考基準として優先され、大原がファイナルへ進出した時点で、男子のオリンピック選考5枠内に入ったため、サーフィンのオリンピック代表選手に内定した。
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男子優勝はジョアン・ドリュー! フランスが金メダル、五十嵐カノアは準優勝で日本は銀
ファイナルへ進出したのは日本代表の五十嵐カノア、大原洋人とフランス代表のジョアン・ドリューとジェレミー・フローレンス。
Photo:ISA/Ben Reed
ジョアン・ドリューはパンチのあるバックサイドターンを2発で7.67ptをマーク。その後リズムに乗ったジョアンはさらにパワーターンを連発させ7.27ptでトータル14.94ptマークし試合をリード。
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途中ローテーションエアーを出すなどトリッキーな技を見せるなど、素晴らしいサーフィンを見せてくれた。ファイナルで唯一グーフィーフッターとなったジョアンはファイナルでたった3本の波しか乗らずそこで勝利するためのスコアをメイクし、見事金メダルを獲得した。
Photo:ISA/Ben Reed
小さめの波でも3ビックマニューバーで6.67ptをマークするカノア。その後スライドとテールアウトさせたレイバックからエアーと難易度の高いサーフィンを披露し7.07ptをマーク。トータル13.74ptで徐々にトップとの差をつめていったが、今大会は逆転できず2位でフィニッシュ。
Photo:ISA/Pablo Franco
個人で銀、チームの銀メダルにも大きく貢献。2018年のワールドサーフィンゲームに続き2回目の銀メダルを獲得した。
Photo:ISA/Ben Reed
前半はミスが目立ったジェレミーだが後半にかけ、トップとボトムをしっかり使ったシャープなターンを繰り出し7.27pt、そしてその後バックアップを5.67ptとしトータル12.94ptで3位でフィニッシュ。
Photo:ISA/Ben Reed
大原はなかなか良い波が見つけられない中、後半にかけ4発のバックサイドのクリティカルターンを繰り出し、5.83ptマーク。しかしバックアップが見つけられず試合終了。リパのファイナルRの勢いは見られなかったが、東京オリンピックの切符と4位で銅メダル獲得。
Photo:ISA/Sean Evans
ジョアン・ドルューの個人金メダルとジェレミー・フローレスの銅メダルにより、チームフランスは、最終ヒートで日本チーム『波乗りジャパン』を上回り、51カ国の中で1位の座を獲得。これは、フランスのビアリッツで開催された 2017年大会で優勝して以来、フランスにとって初めてのゴールドとなる。
Photo:ISA/Pablo Franco
「とても興奮して、まだ信じられない」とジョアンはコメント。
「これがうまくいくとはまったく予想していませんでした。1年以上ホームにいて、スポンサーを失いました。その後、このコンテストが開催され、4週間前にトレーニングを再開しました。勝ったことが信じられないです。」と優勝後のインタビューで語った。
Photo:ISA/Ben Reed
日本は 2018年大会で最初のチーム ゴールド、2019年にブロンズに続き、2021年はシルバーメダルの獲得となった。
▼オープン男性結果:
ゴールド – ジョアン・ドリュー (FRA)
シルバー – 五十嵐カノア (JPN)
ブロンズ – ジェレミー・フローレス (FRA)
銅 – 大原洋人 (JPN)
6位 – 村上舜 (JPN)
▼国別チームの順位:
ゴールド – フランス
シルバー – 日本
ブロンズ – ポルトガル
銅 – ペルー
5 – オーストラリア
6 – ドイツ
7 – アルゼンチン
8 – チリ
9 – インドネシア
10 – スペイン
Photo:ISA/Pablo Jimenez
リパチャージR11では、東京オリンピック資格を獲得したドイツ代表のレオン・グラッツァーが大原洋人との対戦で、特大のローテーションエアーをメイクし、大会最高トータル18.46pt(8.93pt+9.53pt)をスコアした。
Photo:ISA/Pablo Franco
グラッツァーはファイナルまで進めなかったが、オリンピアンになった経験について「昨日は私の人生で最も大きな1日となりました。」とコメント。
「この3年間、東京オリンピック出場に向けて非常に多くの時間を費やしてきました。毎日目が覚めると、いつもオリンピックの事を考えていて、感情がジェットコースターのような感じでした。」
昨夜は体調を崩していたというグラッツァーは、オリンピック代表争いから解放され、「人生で最高のヒートでした」 とビックスコアをメイクした後のインタビューで語った。
Photo:ISA/Pablo Franco
女子はサリー・フィッツギボンズが優勝!
ファイナルはオーストラリア代表のサリー•フィッツギボンズと、この大会を通じて東京オリンピックの出場権を獲得した3人、ポルトガルのヨランダ・セケイラとテレサ・ボンバロット、ペルーのダニエラ・ロサスの対戦になった。
Photo:ISA/Ben Reed
リパチャージラウンドから勝ち上がってきたサリーは、ファイナルでも試合前半からソリッドなバックハンドターンを連発させ、トータル14.10ptをメイク。
Photo:ISA/Ben Reed
他の選手がスコアをなかなかメイクできない中で、CTキャリアで培った圧倒的な強さを見せつけて見事優勝を飾った。
Photo:ISA/Sean Evans
前田マヒナは女子8位
Photo:ISA/Sean Evans
東京オリンピックの日本代表に内定した前田はリパチャージR9まで進出したが、惜しくも敗退して今大会は8位。
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▼オープン女性結果:
ゴールド – サリー・フィッツギボンズ (AUS)
シルバー – ヨランダ・セケイラ(POR)
ブロンズ – テレサ・ボンバロット (POR)
銅 – ダニエラ・ロサス (PER)
8位- 前田マヒナ (JPN)
9位- 都筑有夢路 (JPN)
41位-松田詩野 (JPN)
Photo:ISA/Sean Evans
40名の東京オリンピック代表選手
2021 サーフ シティ エルサルバドル ISA ワールド サーフィン ゲームズで2020東京オリンピックの最終予選は全て終了した。
40人のアスリート全員が、2019 WSL CT(チャンピオンシップツアー)、2021 ISA ワールドサーフィンゲームス 、2019 ISA ワールドサーフィンゲームス、2019 パン アメリカンゲームの4つの予選イベントを通じて資格を得ている。
合計40の予選通過者は、17か国から集まっており、サーフィンの世界的な広がりと魅力の代表となっている。
Photo:ISA/Ben Reed
インドネシアの和井田理央もオリンピックの切符を手に入れた。
男子20名のオリンピック代表選手
2019年WSLCT(チャンピオンシップツアー)
ガブリエル・メディーナ (BRA)
イタロ・フェレイラ (BRA)
コロヘ・アンディーノ(USA)
ジョン・ジョン・フローレンス(USA)
オーウェン・ライト (オーストラリア)
ジュリアン・ウィルソン(オーストラリア)
ジェレミー・フローレス (FRA)
ミシェル・ボーレンス (FRA)
五十嵐カノア (JPN)
ジョディー・スミス (RSA)
2021 ISA ワールドサーフィンゲームス
レオン・グラッツァー (GER)
ミゲル・トゥデラ (PER)
ルッカ・メシナス (PER)
マヌエル・セルマン (CHI)
大原洋人 (JPN)
2019 ISA ワールドサーフィンゲームス
和井田理央 (INA)
フレデリコ・モライス (POR)
ビリー・ステアマンド(NZL)
ラムジー・ブキアム (MAR)
2019 パンアメリカン競技大会
レアンドロ・ウスナ (ARG)
女子20名のオリンピック代表選手
2019年WSL CT(チャンピオンシップツアー)
カリッサ・ムーア(USA)
キャロライン・マークス(USA)
タティアナ・ウェストン・ウェッブ (BRA)
シルヴァーナ・リマ (BRA)
ブリッサ・ヘネシー (CRC)
サリー・フィッツギボンズ (AUS)
ステファニー・ギルモア (オーストラリア)
ジョアン・ディフェイ (FRA)
2021 ISA ワールドサーフィンゲームス
ヨランダ・セケリア (POR)
テレサ・ボンバロット (POR)
ダニエラ・ロサス (PER)
レイラニ・マクゴナグル (CRC)
前田マヒナ (JPN)
都筑有夢路 (JPN)
ポーリン・アド (FRA)
2019 ISA ワールドサーフィンゲームス
アナト・レリオール(ISR)
ビアンカ・バイテンダグ (RSA)
エラ・ウィリアムズ (NZL)
ソフィア・ムラノビッチ (PER)
2019 パンアメリカン競技大会
ドミニク・バローナ(ECU)
▼ファイナルデーハイライト
▼2021サーフシティ・エルサルバドル・ISAワールドワールドサーフィンゲームス