2011年3月11日 14:46
生涯忘れることのできない大震災が起こりました。
震災から10年を迎えるにあたり、宮城県亘理郡亘理町・荒浜の波情報のリポーターでサーフショップ(リアルサーフ)を営む、残間祥夫さんにお話を伺いました。
※この記事には津波や地震での写真が含まれています。閲覧するとストレスを感じる可能性がありますので心配な方はお控えてください。
2011年3月11日の午前中の波は、小さかったですがプールポイント(荒浜)の方が綺麗にブレイクしていたので、波乗りを楽しみ午後はお店で寛いでいると、初めて緊急地震速報と同時に激しい揺れが襲ってきました。
長い大きな揺れが収まり、近所の方から津波が来るようだと教えていただき、誰か海に入っていたらと思って急いでお店からすぐ側にある荒浜を見に行くと、幸いサーファーは誰もおらず、自宅が心配ですぐに岩沼市内の自宅へ渋滞のなか何とか戻りました。
家族の無事が確認でき少し安心しましたが、停電と度々来る余震で家の中には入れず車内でテレビを見ていると、仙台空港に大津波が押し寄せ何台もの車が流されている映像が映し出されていました。
Photo:画像提供リアルサーフ
荒浜のお店もダメだなと思いながらも、二日後に見た荒浜は想像以上の被害状況で、当然お店は基礎を除き全て流されていました。
ライフラインも全て止まり、給水所に8時間並んで水を汲んだり、どこどこのスーパーが営業していると聞くとガソリンが調達できない状況下、自転車で向かって何時間も並び食料品などを調達していましたが、一週間後に電気が開通し二週間後に水道が復旧して、少し落ち着いてきた3月下旬から少しでも早く亘理町・荒浜の復旧、復活の一助になればと思いボランティア活動を始めました。
Photo:画像提供リアルサーフ
Photo:画像提供リアルサーフ
5月から亘理町の臨時職員になり、2012年3月からは荒浜に仮置きされている大量の瓦礫を処理する亘理町の臨時焼却炉に2年間勤めました。
Photo:画像提供リアルサーフ
その間、2011年9月に仙南地方で震災後初めてのビーチクリーンを吉田浜で行い、150人以上のサーファーが集まりました。
Photo:画像提供リアルサーフ
2012年3月11日には荒浜河口ポイントにおいて、震災で犠牲になられた方々に黙祷を捧げ、
Photo:画像提供リアルサーフ
復興に対する思いや気持ちを一人一人が風船に書き込み空に飛ばしました。
Photo:画像提供リアルサーフ
Photo:画像提供リアルサーフ
また、2013年には荒浜河口ポイントに散乱したテトラポットを宮城県の方にお願いをし、日本に2台しかない水中ブルドーザーで除去してもらい、荒浜河口ポイントの再開を果たしました。
そして2014年12月に、沢山の人たちの協力と後押しがあって亘理町・荒浜にぎわい回廊商店街の一画に「リアルサーフ」を再開させることが出来ました。
2015年8月15日、亘理の夏を彩る花火大会「わたりふるさと夏まつり」が復活。
2017年2月には、巨大津波による越流でも粘り強く効果を発揮すると言われている海岸堤防が完工しました。
震災から10年が経ち、ここ荒浜の街並みもすっかり様変わりしてしまいましたが、海には以前のようにサーファーが波乗りをしに訪れています。
お店の周りにも鳥の海温泉、鳥の海ふれあい市場、多目的広場、防災公園、サッカーコート、野球場、B&G海洋センターなどが整備され、多くの方々に荒浜を楽しんでもらえるようになりとても嬉しく思っています。とのことでした。
最後に現在の荒浜河口の様子です。
以上、亘理町・荒浜のレポートでした。この後、菖蒲田浜と仙台新港のお話もお伝えしていきます。
Report&Photos by Motoko Kumagai