なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【ウネリの向きとは】

2020/03/24 更新

3月中旬は日本付近は低気圧が次々に通過しながら、ここ千葉では春らしくふんわりとやわらかい空気が感じられていましたが、昨日(3/23)は低気圧が東海上に抜けて一時的な冬型の気圧配置に。北日本の上空にはまあまあな寒気が流れ込み、2月並みの寒さとなったところもありました。

寒の戻りです。
ここのところ日中はウグイスの声に癒されていましたが、昨日今日はあまり聞こえません。やはり寒さを感じているのでしょうか。
春だけに2~3日ですぐにまた暖かい日がやってきますけれども。

春を本格的に感じ始めた2月後半ぐらいから、天気図や波高、風、波周期その他さまざまなデータは見るたびに変化しています。全国の週間波予想担当の日は、数日先のコロコロと変わる予想データを見て、フーフー言いながら予想文を書き直しています。

この季節は北からの冷たい空気と南からの暖かい空気のぶつかり合いが大きくなり、日本付近には高気圧と低気圧が交互にやってきます。今年はウルトラ暖冬で季節感はかなり前倒しで進んでいる感じですが、たまには寒気がこぼれ出してきて冬型の気圧配置となることもあります。

風向きや強さは日ごとに変わります。日本海側はシーズン終盤に入っていますが、なみある日もあり、全国的にアップダウンが忙しく、また、入るウネリの向きも変わりやすい季節です。

さて、今回はポイント毎に拾うウネリについて。

日本地図を見てわかるように、太平洋側はざっくりいうと湘南~西のエリアでは南ベースのウネリを拾うポイントが多いものの、伊豆、伊勢や和歌山の一部、徳島や高知、宮崎などでは東ウネリが反応し、千葉から北のエリアでも東ベースのウネリがメインとなります。
そして、日本海側は西~北西~北(北東)ウネリが入ります。

まず、ウネリの素について振り返ります。
ウネリが生まれる要因は風です。海上で吹く風が強く、吹き続く距離が長ければ、力を持ったウネリが岸にたどり着きます。
遥か東海上の高気圧の吹き出しによる東~南東ウネリは、太平洋上の長い距離を同じ方向に向かって吹く風波がまとまりウネリとなってたどり着きます。
また、春秋には次々と訪れる移動性高気圧が東海上に移った時に海上で一時的に吹く風によっても波が生まれます。
どちらも高気圧の吹き出しによるウネリですが、同じ南東ウネリで同じ腹サイズだったとしても、海上で長い距離を強く吹いた風により生まれるウネリの方が力を持っていて一般的には乗りやすく、またすぐにダウンすることなく長持ちする波となります。

また、日本海は方向によって距離が限られており、北~北北東風が最も長い距離を吹走することが出来るため、北ウネリはパワフルで持続もしやすいです。

また、低気圧は中心に近くなるほど強い風が吹き荒れます。日本付近を通過する際には吹き込みの風による波がもたらされ、日本から遥か離れた海上にあっても、そこで生まれた風波がウネリとなってが伝播してきます。

ウネリの素については、過去のお話【天気図の読み方】【低気圧のいろいろ】【海に囲まれた日本は波も色々】などもご参照ください。

またまた前置きが長すぎましたが今回の本題です。

波情報の予想文を読んでいただくと、東ウネリや南ウネリなどという言葉がよく出てきます。

日頃海に着いて、同じエリアの隣のポイントでも、サイズや海面の状態が違うということは目にされているのではないでしょうか。

日本全国津々浦々ポイントによってそれぞれ特徴はありますが、基本的には正面方向からのウネリが最も反応しやすい、と考えて良いです。
南向きのポイントは南ウネリが、東向きのポイントでは東ウネリが、北向きのポイントは北ウネリがサイズアップする要因となります。
けれども、正面からのウネリが全てではありません。

たとえば、相模湾にある湘南エリアは、西湘の一部を除き概ね南向きです。
湾が開けていますから、南ウネリだけでなく、多くのポイントで高気圧の吹き出しや通過する低気圧、遥か南の海上の台風などによる、南東~南西ウネリが反応します。
冬には東海で強まる西風によってもたらされる西ウネリが、鎌倉や鵠沼周辺を始め茅ヶ崎などでも反応します。
湯河原吉浜などは西寄りのウネリは入りづらいものの、南~南東~東ウネリが回り込んで反応することもあります。

また、千葉の外房は東~南東向きのポイントが多く、九十九里エリアは海岸線が長く続き、多くのポイントで北東~東~南東ウネリを拾います。
そして、御宿は南向きのポイントですが、海岸線が内側にゆるくカーブをしていて、海に向かって左側の岩和田は南南西向き、右へ行く浜は南南東~南東へ向いており、左端と右端のポイントではウネリの向きによって1~2サイズ違うことが多々あります。

また、長く続く海岸線にあるポイントは、正面だけではなく左右から入るウネリも拾いやすいですが、小さな湾などで岬が飛び出たような地形だと、その岬にブロックされてしまい、正面以外からのウネリは反応しづらいこともあります。けれども、ウネリが強い場合には回り込んで入ってくる場合もあったり、と。
ポイント毎の特性もあるわけで、、、波には果てしない可能性があります。

(同じ時期の南向きと東向きのポイントの夕日)

今回は湘南と千葉を例にとったお話でしたが、これは様々なところで当てはまります。

波情報のLOLAでその日のウネリの向きを見て、ナビやマップで今いるポイントの向きを確認してみる。そして、その瞬間の風の向きも感じてみる。
というような感じで、入るポイント、タイミングなどを決めてみても良いと思います。

3月に入りさらに深刻となり日々刻々と状況が変化し、トリップ等を延期されている方も多いことと思います。早期の終息を心から願うばかりです。

気象予報士
塩田久実

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