なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【低気圧のいろいろ】

2019/11/09 更新

立冬を迎えた8日の朝は縦の等圧線で冬型の気圧配置が残り、

気象衛星からみた雲は雄大でした。冬も間近ですね。

そして波はというと、太平洋側は台風23号からの南東ウネリが反応し、日本海側でも北西~北の風波やウネリで、多くのエリアの多くのポイントでなみある!1日でした。

千葉はここのところ穏やかなコンパクトサイズの波が続いていましたが、夜明け前から吹き始めた北東風を受けて、東向きのポイントはまとまりに欠ける波に変わった、令和元年の立冬の1日でした。

あ、先月から拠点を千葉へ戻しました♪気象予報士の塩田久実です。こんにちは。今朝は風と波の音が変わって目が覚めました。

私はたまたまこの秋の台風や豪雨の直接の被害を受けることはありませんでしたが、先月下旬の豪雨でも様々な被害を目の当たりにしました。
台風が上陸する可能性は限りなく低い時期に入り少しホッとしていますが、気候変動に対し出来ることを増やし実践していかなくては、と実感している今日この頃です。

さて今回は、低気圧のあれやこれや。
空気は気圧の高いところから低いところへ動く。これが風で、風によって波は生まれます。
空気が動く(風が吹く)ことで、最終的には大気が均等に戻っていくのです。
台風が温帯低気圧に変わり再発達。などという言葉を耳にすることは幾度となくあると思います。

低気圧といってもいろいろ。
日頃テレビやラジオなどで耳にし、画面で目にする低気圧は正式には温帯低気圧です。
仕組みは違いますが、台風も低気圧の一種。
他にも寒冷低気圧(寒冷渦)、寒気内小低気圧など低気圧も様々で、それぞれ波の素になっていますので、それぞれについて少しお話したいと存じます。

・温帯低気圧
日本列島は中緯度に位置し、西側に大陸(乾燥、寒冷気団)があり、東側は太平洋(湿潤、温暖気団)に接しています。
この両気団の温度差(暖気と寒気のぶつかり合い)が大きくなることで発達するのが温帯低気圧で、その境目には温暖前線や寒冷前線、また閉塞前線が存在します。
温帯低気圧には、黄海や日本海西部で発生し日本海を急発達しながら北東進して東北や北海道に進む日本海低気圧や、主に寒い時期に東シナ海付近で発生し本州の南沖を発達しながら北東~東北東進する南岸低気圧、等があります。
低気圧からのウネリでサイズアップ!という時の多くはこの温帯低気圧が要因です。

・寒冷低気圧(寒冷渦、切離低気圧)
寒冷低気圧とは中心部の温度が周囲より低い低気圧のこと。気温と空気の流れから見ると寒冷渦、気圧に着目すると切離低気圧とも呼ばれます。
上空では低気圧として明瞭であっても地上付近ではイマイチ不明瞭ということも。
ただし、その南東側の地上付近では南西風が強まるため風波でアップするポイントはあります。偏西風から切り離された状態にあるため動きが遅く、大気は非常に不安定で雷雨や集中豪雨、冬は大雪をも足りしますので注意が必要です。
また、上空の渦が崩れることで暖気が侵入し、地上付近でも気圧が低い温帯低気圧に変わることもあります。その前面(南東側)ではやはり南西風が、後面では(西側)では北西~北風が強まり、太平洋側では風波でアップした後に波がまとまったり、日本海側では西~北西~北へ徐々シフしながら風波でアップし、風がやんでも北西~北ウネリが続いたりします。

・寒気内小低気圧(ポーラーロー)
冬季に海洋上で発生する小規模(大きさ100~1000km程度)の低気圧で、寒冷低気圧と同じく前線を伴いません。
世界的には高緯度の海域で発生するものですが、中緯度でも冬の日本海付近は条件が揃っているため北陸沖などにしばしば発生します。
大陸からの寒気が対馬海流に乗って運ばれてきた暖かい海洋上に吹き出すと、熱と水蒸気が供給されて不安定となり対流活動が活発化。こうなると衛星画像でよく見る筋状雲が並びます。
さらに上層に冷たい空気が流れ込むことで、ますます対流活動が活発になり寒気内小低気圧が発生するのです。
天気図には小さな円とLという文字があるくらいですが、この付近ではウネリが急に強まったり、強い雪や落雷なども起こりやすくなるため、やはり要注意。

・熱帯低気圧(台風)
熱帯~亜熱帯の海洋上で発生する低気圧。
エネルギー源は暖かい海からの蒸発によって多量の水蒸気を含んだ空気が上昇するときに放出される熱です。
これまで何度か申し上げていますが、熱帯低気圧(台風)は海面水温が26~27℃以上の海域で発生し、28℃以上の海域で発達していきます。(27℃くらいだと勢力を維持)
前線は伴わず、雲、風速、降雨の分布は中心に対してほぼ軸対象の円となっています。(等圧線も)
台風とは北西太平洋または南シナ海に存在し最大風速17m/s以上の熱帯低威圧のこと。
上層まで暖気で形成されているため、温帯低気圧とは明らかに構造が違います。
ただし、海面水温が低下していく日本付近に接近したり上陸して水蒸気の供給がなくなることで、台風としては勢力を弱めつつ、上層の偏西風に結合しながら寒気が台風内に侵入し、円対称が崩れるとともに温帯低気圧へ形を変えて、北東の海上へ離れながら再び発達。ということもあります。
被害なく、その恩恵を受けて楽しめる日が多くありますように。


ここのところ関東でも朝晩はぐっと冷え込んできました。明日は冬型が抜けて西~東日本では広く晴れそうです。北日本の上空に寒気が居座り、日本海側を中心に雨や雪が予想されます。
8日21時の天気図の東海上には台風、温帯低気圧、オホーツク海には上空に寒気を伴う低気圧が存在していますね。
西日本の南海上の停滞前線は今のところあまり発達はしない予想ですが、太平洋側は周期的にやってくる低気圧からのウネリ等で遊べる日はたくさんあるでしょう。
また、日本海側はシーズンが始まりました。


どんどん厚着になっていくこの季節、それに合わせて私の動きはどんどん鈍くなっていきますが、、
やや強サイドオンのまとまりに欠けるムネ~アタマぐらいの波に軽やかに入っていく若者を見て、なにか色々な事を反省したい気持ちになった令和元年の立冬でした。
それでは、また次回。

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