Vissla クリエイター&イノベーターに加入して2回目のコレクション「QUILTAGE COLLECTION」を発表したトーマス・キャンベル (Thomas Campbell)。
2019年4月にロンハーマン千駄ヶ谷店「R」で行われたローンチパーティーでは多くの人が集まり、トーマスとの交流を楽しんでいた。
サーフアーティストとしては不動の地位を築くトーマスだが、一方ではメディア嫌いで気難しい性格であることでも知られている。
そんな彼がなみある ?のために貴重な時間をさきインタビューに答えてくれた。巨匠トーマスの意外な一面が浮かび上がった。
1.来日を決めた理由を教えてください。
来日した目的はVisslaとの新しいコレクション「QUILTAGE COLLECTION」ローンチのためです。
裁縫を始めてもう20年になるのですが、このようなコラボレーションをずっとサーフブランドとやりたいと考えていました。10年が経ちそれがようやく実現したのですごく嬉しいです。
今まで積み重ねてきた作品を、このような場所で皆にシェアできて良かったです。
2.Visslaとのストーリーを教えてください。
Visslaの主要人物で、カリフォルニアのプロサーファーVince De la Penaと一緒の高校に通っていました。
彼がVisslaで働き始めて、僕はチームに加わる前からDanny HessやTravis Reynoldsなどのオーガナイズを手伝っていて、結果的には彼らと一緒に働く事になりました。
もう一緒に働いて3年になるのですが、関係は良好だし、謙虚で才能があるチームに入れてハッピーです。
3.Visslaと出会ってどう変わりましたか?
Visslaは自分の創造性が自由になるようにサポートしてくれます。様々なクリエイター達と一緒に働けて、自分のやりたい事ができます。
お金を稼ぐ目的ではなく、クリエイターとして良い作品を作る事でサポートしてくれるからとても感謝しています。
サーフカルチャーにあまり興味が持てなかったため、自分に合うブランドを探すのに時間がかかりました。
スケートボードは5歳から、サーフィンは10歳から始めて、僕のサーフィンでの表現はスケートボードに影響されています。スケートボードの精神 「F★CK the Rule! Do the right things」のアプローチです。
4.「QUILTAGE COLLECTION」について教えてください。
裁縫をして20年が経ち、10年間やりたいと思っていたコレクションを作ることができて幸せです。
このコレクションを作るのにコスタリカに行って、Derrick DisneyやCorey Colapintoと一緒に撮影をして、帰国後、撮影した写真でポラロイドを作り、手描きアートとコラボさせて作りました。
最新技術ではないけど、自分が歩んできた経験や道のりとして新しい作品を出す良いタイミングでした。
映像では地面に伏せて撮影するなど、作品作りにかなり没頭していましたね。
面白い視点ですね。あれは僕がスケートボード撮影でやっていた方法で、スケーターを空に向けてより低い体勢から撮る事に影響されています。
僕のサーフフィルムでは、正面の波だけがカットされるように、そして少しでも身長を高く見せるためにできるだけ低い体勢から撮影しています。良い映像を残すために必死で撮っています。
5.アーティストとしてどのようにスタートしたかを教えてください。
これは別の興味深い事で、子供の頃から皆絵を描いたり、色塗りをしたりしてアーティストなのです。
けれど多くの人が、途中でアーティストではないと決めつけてしまいます。
僕も皆と同じようにスタートして、物作りや絵を描く事をずっと続けました。
そしてスケートボードに影響されながらマガジンの作り方、写真の撮り方やフィルムカメラの撮影の仕方などをビジネスとしてではなく、楽しみながら継続して、お金は後からついてきました。
6.アーティストとしてどのようにお金を稼ぎ始めたのですか?
最初はTRANSWORLD SKATEboarding Magazineのライターとしてスタートし、これがクリエイターとして支払われた最初の仕事です。この時からアートを描いていましたが、販売はしていなかったです。
それからスケートボードの写真を撮り始めてライター&フォトグラファーとしてさらにお金を稼げるようになりました。そこで雑誌社でトレードの仕方や表現するために何が必要かを学びました。
僕は絵を描くのが上手いとは言えないし才能はないと思っていますが、ずっと続けています。
7.いつ、どのように自分のスタイルを見つけましたか?
僕は才能がなく、アートを始めた時は最悪でした。
けれど探究心でその過程を楽しみながら35年間続けて、それが自分のスタイルになっていきました。
自分のスタイルを直ぐ見つける事ができるのは才能ある人です。
皆、お金を稼ぐ事を成功と呼んでいますが、大切なのは楽しむ事で、お金は後からついてきます。
8.作品を作る上でのルールはありますか?
スケボーで学んだルールですが、失敗を恐れない事です。たくさん転び失敗するのは普通であって気にする必要はありません。
9.現在何に影響されてますか?
僕の3歳の娘です。良い父でいる事、彼女の成長を見る事は花が開くような感じで、素晴らしいです。
10.今まで一番の作品を教えてください。
先週作った作品です。
フィルムやアートなどはいつも学び、成長し続けているため、今作る作品がピークでベストなものだと思っています。
11.2019年のゴールや計画を教えてください。
新しいサーフィン映画「Yi-Wo」を撮り終えて、編集作業をしています。2019年末か来年の始めにリリースする予定です。
この映画名「Yi-Wo」は英語ではなく、アイディアやフィーリングを表しています。
今までのフィルムとは全く異なり、自身の経験に触れ、感情的で抽象的に描写しています。今年の夏までには編集を終わらせる予定でいます。
これからリリース予定「Yi-Wo」には、Bryce Young, Ozzy Wright,Craig Anderson, Ryan Burch, Dave Rastavich,Alex Knost, Joel Tudor,Jared Mel,Kurina Ryzunko,Lauren Hill,など他、僕の好きなサーファー達が出演してます。
その他アーティスト・イン・レジデンスとしてユタ州に家族で行き、セラミックの彫刻を大学で1ヶ月間かけて作成し、それから版画などを行い、来年の始めにはユタ州の美術館で展示会を行う予定です。後は、良い父、そして夫としている事です。
———–編集後記———–
インタビュー嫌いのトーマスだが、幸運にも1つ1つの質問に対し丁寧に回答してくれた事に感謝したい。
取材中に、QUILTの写真は何を表現したかをトーマスに尋ねた時、「アートを見る時、他人がどう思うかではなく、自分がどう思うかが重要だよ。」と意外な回答が返ってきた事が1番印象的だった。自分の感性を見る人に委ねるアーティストらしい発言に妙に納得させられてしまった。
また、トーマスの作品は想像以上に長い歳月をかけて完成させている事、今回「QUILTAGE COLLECTION 」も10年に及ぶ構想と練習の中で完成させた集大成であった事に驚かされた。
トーマスは子供の頃からアートを長年かけて継続した末に、世に認められるアーティストになった。才能というよりは忍耐強いアーティストといっても過言ではない。
積み重ねの頂点である今、最後に残した作品こそがベストだと語る。これから完成予定の新しいサーフィン映画「Yi-Wo」はこれから作る彼の生涯ではベストの作品となるだろう。リリースされるのが楽しみだ。
Writer & Editor: So Sugaya
◆ VISSLA「ヴィスラ」
http://www.vissla.jp
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